就学支援金制度の基本知識と仕組みついて解説

通信制高校入門編
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通信制高校の授業料は、全日制高校に比べて安いとはいえ、30万円~100万円くらいかかります。

家庭にもよりますが、高いと感じる場合もあるでしょう。

場合によっては支払うことができないという理由で進学を諦めてしまう事もあります。

しかしそういった人を減らす目的でできた制度が高等学校授業料無償化です。

この制度の一環でできたのが、高等学校就学支援金制度です。

ただ、就学支援金というものがどういうものなのか、どの程度の支援を受けることができるのかなど、不明なことも多いですよね。

そこで就学支援金について詳しく解説していこうと思います。

就学支援金制度とはどういうものなのか

就学支援金というのは、高等が校の授業料において、国が家計の負担の軽減をして、生徒の就学を支援することを目的として作られた支援制度の事を言います。

就学支援気精度が導入されたのは平成26年4月の入学者から対象としているので、比較的新しい制度であるといえます。

今現在は平均で8割程度の生徒がこの制度を利用しています。

この制度を導入してから、高校への進学を諦めてしまう生徒が減少し、進学率はほぼ100%となっています。

基本的に就学支援金は、生徒が通っている学校に対して自動的に支払われていくものなので、生徒や保護者が直接受け取ることができず、授業料以外には使うこともできません。

奨学金と就学支援金はまた別になるので、返却の必要はありませんが、併用して利用していくことはできます。

就学支援金制度の減額の仕組みとは

就学支援金の減額は、通っている通信制高校が私立なのか公立なのかで多少変わってきます。

私立と公立の私有学支援金の支給額の違い

通信制高校の就学支援金は、公立の場合は学校だけでなく、全日制、定時制、通信制で大きく異なります。

しかし、私立の場合は、一律9,900円となります。

項目 支給額
公立高校(全日制) 月額9,900円
公立高校(定時制) 月額2,700円
公立高校(通信制) 月額520円
私立高校(全て) 月額9,900円

上記の公立高校の支給額は、はあくまで平均的なものになるので、学校によっては1単位336円であることもあります。

大体1単位175円~700円の間であることが多いです。

公立通信制高校にはありませんが、私立通信制高校の場合は、世帯年収によって就学支援金の加算があります。

その為、所得に応じて授業料が安くなる所得割のような感覚で考えておくと良いでしょう。

支給期間には上限がある

就学支援金には、支給期間に上限があり、48か月までとなります。

その為、仮に休学する場合は、就学支援金の支給も止めておく必要があります。

就学支援金は基本的に授業料の減額、という形で支給されることになります。

授業料が仮に無料になっている期間があった場合は、就学支援金も0円となります。

その為、授業料が無料になっている期間中に就学支援金の支給を停止させておかないと、受け取って内にも関わらず支給期間だけがどんどんとカウントされ続けてしまいます。

支給額がカウントされ続け48か月を経過してしまうと、就学支援金の支給は終了してしまい、休学を終えてからの授業料は減額が適用されなくなってしまいます。

そうなると、改めて高校に通いなおす際に、授業料は丸々負担することになってしまいます。

しかし、休学をする前に就学支援金の支給を停止する申請を行っていれば、就学支援金のカウントはストップされるので、通いなおす際や休学を終了する際に残った分は受け取れるようになります。

支給単位数はどれくらいなのか

就学支援金を受け取ることができる最大の単位数は、74単位分までとなっています。

通信制高校の場合、年間で支給対象になるのは30単位分までとなります。

一般的に通信制高校の通う場合は、取得する単位数は25単位分が基本となり、特別なことがない限りは在籍する全生徒が支給対象となります。

ただし、支給額等、就学支援金に関しては学校によってルールが様々なので、一度資料請求をして確認してみると良いでしょう。

就学支援金の申し込みはどうすればいいのか

就学支援金の申請方法は、入学時期によって異なってきます。

最も新しい2020年(令和2年)4月以降の新入生とそれ以前の在校生での違いを見てみましょう。

項目 概要
2020年(令和2年)4月以降の新入生の場合 4月入学時などの手続きが必要な時期になってから学校側から案内があります。
案内に従って期限までに申請を行います。
2020年(令和2年)4月以前からの在校生の場合 収入状況の届け出を行っている7月ごろになってから申請の案内が送られてきます。
マイナンバー等を利用して受給がされている場合、再提出は不要

去年から2020年4月以前までと2020年4月以降とでの違いは、制度の改正で年収目安が270万円~590万円未満の精の支給額が引き上げされた、ということです。

1単位あたりの支給額の最大は12,030円となるので、支給対象になる場合は、忘れずに申請を行うようにしましょう。

ちなみに2020年度からは、通信制高校の生徒も対象になり、新入生だけでなく、在学生も改正後の支給額の対象になります。

都道府県の助成金が受けられる可能性もある

国の就学支援金は、授業料が実質的に無料にならなかった年収目安の590万円以上の世帯であっても、都道府県が独自に支援を行っている場合もあります。

神奈川県には、国の就学支援金制度の他に「私立高等学校等生徒学費助成金」というものがあります。

これは、対象となる学校に在学する生徒の入学金や授業料を学校側が軽減させている場合に、入学金と授業料を軽減した学校に対して神奈川県が補助を行う、という制度です。

神奈川県では、一般的に就学支援金支給が受けられない年収の目安とされている590万円以上を大きく上回る「700万円から750万円未満」の世帯年収でも補助を受けることができます。

ただし、750万円以上になってしまうと対象外になってしまうので注意してください。

補助金に関しては以下のようになっています。

保護者等の市町村民税の課税基準額×6%₋市町村民税の調整控除額の合算 世帯年収 授業料補助額 入学金補助額
合算額0円 約270万円未満の場合 48,000円(通信制の場合147,000円) 208,000円(上限額)
154,500円未満 約270万円から590万円未満の場合 48,000円(通信制の場合147,000円) 100,000円(上限額)
203,100円未満 約590万円から700万円未満の場合 325,200円 100,000円(上限額)
227,100円未満 約700万円から750万円未満の場合 74,400円 100,000円(上限額)
227,100円以上 約750万円以上の場合 対象外 対象外

就学支援金には「学び直し支援」がある

就学支援金には、「学び直し支援」というのがあります。

学び直し支援というのは、授業料の負担を減らすための制度の事です。

通常、高校に通っている生徒がいる家庭の場合、授業料に充てるための就学支援金の支給を行います。

しかし、高校を中断すると支給も止まることになり、改めて通いなおす場合は支給が再開されます。

しかし、36か月をこえてしまうとその時点で受給資格の対象外となってしまい、受け取ることができなくなってしまうのです。ちなみに通信制高校の場合は48か月をこえてしまうと対象外になります。

それを補助する役割としてあるのが「学び直し支援」というものなのです。

例えば、全日制高校に20か月以上在籍していて、その後どこかのタイミングで通信制高校に転学した際に、支援機関の上限である48か月から全日制高校の在学期間である20か月を差し引いた22か月分の支援金を受け取ることが可能になります。

学び直し支援の対象者になるのはどういう人なのか

学び直し支援の対象になるのはどういう人なのか、気になる所だと思います。

なので、しっかりと確認しておくようにしましょう。

・高等学校を退学したことがある生徒
・高等学校を卒業または、修了していない生徒
・高等が国に在籍していた期間が36か月(通信制高校であれば48か月)を超えてしまっている生徒
・平成26年4月以降に高等学校等に入学した生徒
・保護者の市町村民是所得割額の合計が304,200円未満である家庭

学び直し支援金の申請方法と支給額とは?

学び直し支援金の支給額は就学支援金の支給額と同額になります。

その為、公立だと1単位175円~700円の間、私立だと月額9,900円となります。

学び直し支援金の申請で気を付けないといけないのは申請する時期です。

学び直し支援金の申請は、必ず就学支援金の支給が終わる月末までに行うようにしていください。

では、申請するにはどんな書類が必要なのかですが、それは以下になります。

・高等学校学び直し支援金受給資格認定申請書
・収入状況認定書
・所得に関しての書類(保護者の市町村民割額が確認できるような書類)

学び直し支援気の支給の申請の為の書類の提出は、基本的には在学している高校です。

もし支給が認定されたとしたら、通常の就学支援金と同じように毎年7月に学校に対して収入に関しての確認の為に提出しなければいけない書類があります。

認定された場合、就学支援金受給資格認定申請書の提出ではなく、学び直し支援金受給資格認定申請書の方を提出することになるので、注意してください。

どちらを提出するにしても、収入状況提出書に関しては同じように提出する必要があります。

就学支援金を受け取ることができる条件はあるのか

履修単位数が問題なければ誰でも就学支援金を受け取ることができるのかというと、そうではありません。

就学支援金を受け取るには、以下のような条件をクリアする必要があります。

・就学支援金を受け取ることができる高校に通うこと
・在住場所
・世帯年収

世帯年収によって就学支援金が受け取れるのかや受け取れるが額が変わってくるというのは上で説明している通りなので、今回はその他の項目について説明します。

就学支援金を受け取ることができる高校に通うこと

就学支援金は、どの高校でも受け取れるというわけではありません。

高校の中には、受け取ることができない場合もあるので、必ず通う前に確認しておくようにしましょう。

項目 概要
国立、私立の高等学校 (全日制、定時制、通信制)専攻科、別科は除く
国立、私立の中等教育学校 後期課程、専攻科、別科は除く
国立、私立の特別支援学校 高等部
国立、私立の高等専門学校 1年~3年
国立、私立の専修学校 高等課程
国立、公立、私立の各種学校 告示指定外国学校等

これらの表を見る限りは、ほとんどの学校では就学支援金を受け取ることが可能です。しかし、専攻科、別科に関しては適用外になっているのがほとんどです。

また、全日制高校の場合は3年間、通信制高校の場合は4年間までしか就学支援金の対象になっていないので、それ以降も通う場合は全額負担になってしまいます。

在住場所

就学支援金を受け取る条件は、日本国内に住所があることも必須となります。

日本にずっと住んでいる日本人であればこの条件はあってないようなものです。

世帯年収

世帯年収に関しては、上で詳しく解説しているので、ここではケースバイケースになる事例を紹介します。

・両親が離婚している
もし両親が離婚しても、生計を共にしているなら養育をしている親の年収が世帯年収として計算されることになります。
・祖父母と一緒に生活をしている2世帯以上の場合
この場合は、主に養育を行っている親の年収が家庭の世帯年収として計算されます。
両親が養育している場合は、祖父母の収入は計算対象外になります。
・入学する本人が20歳以上の成人である場合
この場合は、本人の生計を維持している人の年収か、本人の収入が世帯年収として計算されることになります。

家庭環境は、千差万別なので、状況によってバラバラです。

その為、自分の置かれている状態がどこに当てはまるのかは必ず学校側に確認をするようにしましょう。

就学支援金の受け取りに必要な書類は?

就学支援金を受け取るには、入学する高校に対して提出しなければいけない書類がいくつかあります。

必要な書類は以下になります。

・受給資格認定申請書
高校を通じて配布されるものになります。
・市町村民税所得割額の確認が可能な書類一式

これらのものは、基本的に入学する4月の段階で高校に提出する必要があるものになります。

7月に提出する必要がある書類

受給資格を得ていて、世帯年収に変化がないかどうかを確認する為、毎年7月になると別途提出を求められる書類もあります。

こちらも忘れずに行う必要があります。

・収入状況書
・市町村民税所得割額の確認が可能な書類一覧

基本的には4月に提出する書類とそこまで変わりませんが、受給資格認定申請書ではなく、「収入状況書」というものが今度は必要になります。

こちらも高校を通じて配布されるものになります。

通信制高校への入学または、転学をする際には、必ず就学支援金が受け取れるかどうかを確認しておくようにしましょう。

しっかりと確認しておけば無理のない程度で通える学校を選びやすくなります。

就学支援金の対象にならないのはどういう人なのか

就学支援金の対象になる人は、理解できたと思いますが、逆に就学支援金の対象外になってしまうのはどういう人なのかもしっかりと確認しておきましょう。

・保護者の年収の目安が910万円以上である
・高等学校などをすでに卒業しているか修了している人
・高等学校などに在学した期間が通算で36か月以上である人
(定時制・通信制の場合は48か月以上)

上記に当てはまる人は、対象外になるので注意しましょう。

世帯年収が低い場合は増額される可能性もある

就学支援金の金額は、受け取れる場合はどの家庭でも同額ですが、世帯年収によっては基準となる菌がよりも多く受け取ることができる場合があります。

世帯年収 加算される倍率 支給額の上限金額(1単位)
250万円未満の場合
(市町村民税所得割が非課税)
2.5倍 12,030円
250万円~350万円未満の場合
(市町村民税所得割が51,300円)
2倍 9,624円
350万円~590万円未満の場合
(市町村民税所得割が154,500円)
1.5倍 7,218円

これらは、増額される上限金額になります。

ただし私立高校の場合、1単位あたりの上限金額が低いことがあります。その場合は、受け取れる上限金額は学校に準じます。

基本的には「1単位あたりの金額は丸々受け取ることができる」と考えると良いでしょう。

まとめ

就学支援金制度は、高校に通いたいと思っても金銭的に通うのが負担になってしまう人の為にあります。

負担を軽減させることで、高校に通いやすくするための高校授業無償化の一環で行われているため、条件さえ満たすことができれば、どんな人でも支給を受けることができます。

ただし、支給を受けるまでには必要な書類は都道府県や学校ごとで異なっていて、支給額や世帯年収でも違ってくるので、自分がどの程度の支給を受けることができるのかは必ず確認しておくようにしましょう。

また、学び直し支援などの、一度は高校卒業を諦めてしまった人でも再度通うことができるような制度もあるので、いろいろ調べて是非有効に活用してみてください。

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